九十九物語 

妖怪、心霊、怪談について勉強がてらまとめていきたいと思います。趣味で集めている知り合いから聞いた怪談が溜まってきたので少しずつ書いていきたいと思います。

人の”想い”が渦巻く 安井金比羅宮

京都ミステリースポット巡り。

 

晴明神社の次は、

悪縁切りで有名な「安井金比羅宮」

 

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【安井金比羅宮】

祭神は、鵺退治の源頼政大物主神、そして日本三大悪妖怪として有名な史上最大の大怨霊”崇徳院”です。と妖怪三昧なわけです。

 

由緒は,

大円法師というお坊さんの前に崇徳上皇の霊が現れます。

このことを後白河法皇に伝え、法皇の命によって建立した光明院観勝寺がこの宮の始まりのようです。

応仁の乱の影響で荒廃するも、元禄8(1695)年に太秦安井(京都市右京区)にあった蓮華光院がここに移建、鎮守として崇徳院に加え、讃岐の金刀比羅宮から勧請した大物主神と、源頼政を祀ったとのこと。

明治維新後、蓮華光院改め安井神社とし、さらに安井金比羅宮となったそうです。

 

金刀比羅宮とは崇徳天皇保元の乱に敗れ流された讃岐にあり、崇徳天皇はそこにこもっていたそうです。一切の欲を断ちお籠もりされていたことから古来から断ち物祈願と信仰されてきたのだそう。

 

やはり女性に人気のようで9割女性の方でした。

 

そしてここで一際目を引くのは、この碑。

お札に覆い尽くされ見えませんがこれは碑です。

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これは「縁切り縁結び碑」といわれています。

これのやり方は、

  1.  まず本殿にお参りしてお賽銭(100円以上)を入れます。
  2. お賽銭(100円以上)を入れると「形代」というお札がもらえます。そのお札の左側に切りたい縁、右側に結びたい縁を書きます。裏には名前も忘れずに。
  3. 形代を持ったまま、碑の前で願います。
  4. まず表側から念じながらくぐり抜ける。
  5. そして裏側から念じながらくぐる。
  6. 最後に形代を碑に貼る。

 

これで完了です。

 

縁というと人と人だけ思われがちですが、ここは病気、お酒、ギャンブルなどの悪縁も切ってくれます。そういう方の参拝も多いようです。

 

カップル、夫婦で来ても大丈夫らしく、

逆に強く結ばれるらしいです。

 

それと大物主神は海上交通の守り神とされています。

 釣り人などにも信仰されています。

 

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それにしてもこの碑、なんか人々の想いのようなものが具現化されたようで恐ろしく感じますね。

 

異様な雰囲気が漂っています。

 

様々な人の願い、想い、憎しみ、怨みなど、押しつぶされそうになります・・・

 

 

そして、絵馬が納められてるんですが、その絵馬の内容が・・・

 

「◯◯が死にますように」とか「◯◯の会社が倒産しますように」など実名で書かれ、ここまで言うか!と人間の本質的恐ろしさを肌で感じました。

 

見ていて気持ちが悪くなるレベル・・・

 

ひぃぃぃっ!!!!

まさに怨憎。。。

 

実はこれ読んだせいで気持ち悪くなり、早急に退散しました・・・

 

ちょっとした見物の感じで行くところではないんでしょうね。

 

小さい神社などでも、”気”のようなものがブワッと肌にあたり、信仰の厚さを感じることがよくあります。ここもそれを感じました。

まあちょっと変な話ですよね。

 

 

怨念とか憎悪って時としてとてつもないものになります。

例えば御霊となった歴史上の人物、ここの御祭神である崇徳上皇菅原道真もそうです。これらは生前の怨みに怨みきれない想いが死後にまで影響し荒ぶる神となった霊です。これを鎮めるため彼らを神と崇めます。いわゆる神格化です。

 

一般的な霊と呼ばれる類いは、生前の死んでも死にきれないなんらかの想いがあるからそこのとどまります。怨憎であったり好意であったり心配であったり。

 

 

時に生きている人の霊が相手に被害を及ぼしもします。

 

生きている人の霊も恐ろしいもので、想いの相手に取り憑いたり、憎い相手を祟ったり・・・

 

一般的に生霊といいます。生霊にも人の形で現れるもの、形を持たない念のようなものなどあるようです。

 

”いきすだま”ともいい、平安時代にも頻繁に出現します。

 

面白いことに、

平安時代、霊が体から抜け出ることを「あくがる」と言ったそうですが、

これが「憧れる」の語源になったんだとか!

 

確かにその人に惹かれるというのに近いですね。

その人のことを考えてて身体が空っぽになる感じですかね?

それとも飛んでいきたいぐらいってことでしょうか?

 

 

このいきすだま。

源氏物語にもでてきます。ここでは光源氏の愛人、六条御息所。この愛人、光源氏の妻、葵の上に嫉妬しまくります。

 

その嫉妬の度が半端じゃない・・・笑

 

その嫉妬心がいきすだまになって、葵の上を苦しめ、死に追いやったとか・・・

 

このいきすだま、本人の意思とは無関係に魂が離れ、葵の上を苦しめます。

 

 

まあ作り話ですが。笑

 

いきすだまって自覚がなくても、ちょっと「病気になれ」と思ったことで相手に憑いてしまうこともあるようです。

やられた側はいい迷惑ですね・・・気をつけましょうね・・・

 

生霊の話はほかにもあって

 こんな話があります。

 

 

京都の松任屋徳兵衛という問屋に松之助という息子がいた。

 

近所の娘がこの息子に深く惚れ込んでしまう。

そしてあまりに強い想いは身体を抜け出し生霊となって松之助に取り憑いた。

 

そして生霊は松之助を苦しめ、ついに松之助は病になりました。

見かねた両親がお坊さんに加持祈祷を頼みます。

 

祈祷をし続けるも想いが強すぎいてなかなか祓えない。

長時間の激戦の末、祈祷のかいもあり、その娘が突然死んだとの知らせが!

 

これで生霊はいったん祈祷のおかげでとれたのだが、、、

 

喜びもつかの間、今度はその娘の幽霊が松之助に取り憑く。

 

そして祈祷を再びするとすぐに成仏したそうだ。その後、松之助は健康になり、娘の冥福を祈った。

 

 

 

 

怖っ・・・

 

まあ女性に好かれるだけならうらやましいんだけど笑

 

 

人の想いの力ってきっと想像を絶するものなんだろう。

 

 

何事も度を超えたものはいいことないですね。

 

 

本当の妖怪は人間そのものなんじゃないのかな。

 

 

 

 

 

 

安井金比羅宮・・・人の”想い”が肌で感じられるとおもいます。ぜひ行ってみてください!

 

崇徳院と鵺はまた別の記事で。

 

ではでは!次回は一人旅京都編ミステリースポット4カ所目です。